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2020年3月11日 (水)
展覧会めぐり③細見美術館
細見美術館で開催中の”華めく洋食器 大倉陶園100年の歴史と文化”展に行きました。
大倉陶園といえば百貨店に並ぶ高級洋食器メーカーというイメージしか持ってなかった
私ですが、今回展示されている色んな食器を改めて見て、その技術力の高さに
ただただ溜息ものでした。
大倉陶園の歴史は古く、1919年に大倉孫兵衛、和親父子により創業されました。
創業時には日本では洋食器の重要というものはほとんど無かったと思われます。
しかしながら、先を見越して必ず需要は広がると確信し、日本における最高級の
洋食器メーカーとして、フランスのセーブルやイタリアのジノリにも勝る磁器を
作るという強い意志を持って美術的価値の高い磁器を作り続けられたようです。
一貫した理念は「良きが上にも良きものを」ということです。
ものづくりをする私たちの胸に、まっすぐに響く言葉ですね。
あさぎでもホンモノのものづくりということで、西陣織最高の1800口織ジャガードを
使用し精緻に織り上げ色々な作品づくりをしております。
創業時の理念を忘れることなく、新たな創造性に溢れたものづくりをおこなうという
姿勢です。
今回の大倉陶園の展示物の中で、特に奈良ホテルの食器が素晴らしかったです。
奈良ホテルは、1909年(明治28年)、東京駅の設計でも知られる辰野金吾によって誕生した
今年開業110周年を迎えた西日本を代表する老舗ホテルです。
昭和10年、清朝最後の皇帝 溥儀が奈良ホテルに滞在したときに誂えられた食器が展示されてました。
奈良の風景をモチーフにしたなんとも美しいものでした。