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2026年1月27日 (火) お知らせ
【四条烏丸館】ユリヤ・ボンダレンコさんの作品展示について

1月26日NHK京都「京いちにち」にてご紹介いただきました、ウクライナ出身、京都市で活動中のアーティスト、ユリヤ・ボンダレンコさんの作品『大雨を超えて』を本日より館内インスタレーションルームにて展示いたします。
戦争で日本に避難し、困難な時期に受け入れ支えてくれた日本の姿と、苦しい状況下でも希望を失わないウクライナの姿、2国間の絆と生きる力、希望の象徴としてウクライナの伝統技法ペトロキウカ塗りで表現した作品です。
暗闇で浮かび上がる蓄光絵の具を使用したとても神秘的な作品です。
ぜひ、美術館でご覧ください。

ユリヤ・ボンダレンコ Yuliia Bondarenko
タイトル《大雨を超えて》
本作品は、京都・高山寺に伝わる《鳥獣戯画》から着想を得て、作者自身の経験と想いを重ねて制作した作品である。
ウクライナで戦争が始まり、日本へ避難してきた私ユリヤと、困難な時期に私を受け入れ、静かに支えてくれた日本の姿が、この作品の背景にある。
画面に描かれた要素には象徴的な意味が込められている。ペトリキウカ絵画(ウクライナの伝統装飾)で表された雲は、祖国ウクライナに広がる戦争の影を示している。暗い影の中でも色彩が光を放つのは、苦しい状況の中でも希望を失わないウクライナの姿を表している。
一方、日本側には雲形文様や青海波が描かれ、穏やかさや守られている感覚を表現している。右側の荒れた波は、現代社会の不安定さを象徴している。
菊文様から伸びる糸は、ウクライナの兎の衣装から伸びる糸と重なり、梅結びの形をつくる。この結びは、日本とウクライナを結ぶ絆や、互いを思いやる気持ち、そして未来への祈りを象徴している。寒さの中で最初に花を咲かせる梅は、生きる力と希望の象徴でもある。
本作品は、二つの国のあいだに生まれた個人的な記憶をもとにしながら、見る人それぞれの心にそっと寄り添うことを願っている。誰かにとっての避難所や、暗闇の中の小さな光となるために必要なのは、ほんの少しのやさしさなのかもしれない。



