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西陣極細織掛軸「阿修羅像」

日本の仏教美術とは

日本に仏教が伝わったのは、今から約1500年前(飛鳥時代)。その後、単に信仰だけでなく、仏教は日本の芸術・芸道・文化に大きな影響を与えることとなります。
とくに芸術分野においては、平安時代のはなやかな貴族文化や鎌倉以降の武家社会など、さまざまな時代背景に呼応しながら、仏画や仏像、建築・庭園などにおいて数々の芸術作品が生み出されてきました。

空海によってもたらされた密教の「曼荼羅」や、平安末期に流行した阿弥陀信仰の影響をうけた「来迎図」、禅宗の教えを表現した水墨画など・・・。日本の仏教美術の発展はこの国の歴史と深く結びついており、私たち日本人の心のよりどころともなっています。

作品のご紹介

西陣極細織掛軸「十三仏 般若心経」

十三仏とは、亡くなられた人を浄土に導くために行う13回の追善供養(初七日から七日ごとに四十九日、さらに百か日、一周忌、三回忌から三十三回忌まで)において、それぞれに本尊としてむかえる13人の仏様です。

京都国立博物館所蔵の伝空海「般若心経」とともに、西陣最高の織技術といわれる1800口織ジャガードを駆使して織り上げ、京表装の掛軸として仕上げました。
いつまでも変わることのない純金箔、純金糸を使用することで、故人に対する変わらない心を遺します。

西陣極細織掛軸「南無阿弥陀仏 二十五菩薩」

二十五菩薩とは、臨終のさいに極楽浄土から阿弥陀如来とともに迎えにくる25人の菩薩様。中心には高野山真言宿老建部快運大僧正筆の墨跡を、純金糸で。その周りの仏説阿弥陀経、二十五菩薩と阿弥陀如来には純金箔を使用して織り上げています。
1800口織ジャガードを駆使した西陣織の技術に、京表装の掛軸。後世に遺していただきたい逸品です。

西陣極細織掛軸「阿修羅像」

奈良時代に制作された、奈良県興福寺に所蔵される国宝・阿修羅像。光明皇后が母、橘三千代の一周忌供養で、菩提を弔うために造像されました。
やわらかな微笑みに憂いをおびた表情で遠くをみつめる姿に、1300年もの間、多くの人々が魅了されてきた阿修羅像。西陣最高の織技術を駆使し、純金箔をつかって写実的に織り上げ、掛軸にしました。

西陣極細織掛軸「吉祥天立像」

豊かな実りと幸せを与えてくれるという美の女神「吉祥天」は、昔から多くのお寺で祀られてきました。なかでも、京都府木津市にある浄瑠璃寺に安置されている吉祥天像は、美しさが秀逸とされています。
その美しさと豪華さから、日本の切手の最高額「千円切手」の図柄にも採用された吉祥天立像を、西陣最高の織技術で純金箔をつかって、写実的に織り上げ掛軸にしました。

西陣極細織額装「般若心経」

般若心経とは、大乗仏教の心髄が説かれたものであり、私たちが浄土へ渡るさいに智慧を与えてくれるお経として、 日本でもっとも広く親しまれているお経です。

日本の三筆として有名な弘法大師 空海の筆と伝えられる、京都国立博物館所蔵「般若心経」。その力強く誠実味にあふれた書風を、一筋の筆先まで忠実に再現すべく、西陣最高の織技術1800口織ジャガードを駆使し精緻に織上げ、掛軸にしました。
織物ならではの重厚な風合いと、いつまでも変わらない純金箔の優美な輝きは、経典にふさわしい荘厳なおもむきを醸し出しています。

西陣極細織額装「無量寿」

無量寿とは阿弥陀仏さまのこと、梵語ではアミターユスといい「はかりなきいのち」を意味します。
世界遺産にも登録されている京都・教王護国寺(東寺)の砂原秀遍長者の作品、「無量寿」の文字をもとに、西陣最高の織技術1800口織ジャガードを駆使し、その文字の擦れに至るまで織り上げています。純金糸ならではの深遠な輝きが、仏さまのこころに触れるような荘厳さを醸し出しています。